551 :おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2016/11/18(金) 10:30:27 ID:MZ9lRCGc.net
私自身の武勇伝ではないのですが非常に感謝したので書き込み
もう五年近く前の話

当時高校生だった私は電車通学をしていた
その日は休日で部活が終わったのも3時くらい、休日とはいえ中途半端な時間なので地下鉄も比較的空いていた
7人席の一番端に私、隣に70代くらいのおばあさん、奥に2、3人の人が座っていた
向かいの7人席も4人程度が座っておりまだまだ余裕のある状態だった
3駅ほど行ったところで一人の初老の女忄生が同じ車両に乗って入り口付近、つまり手すりを挟んで私の隣に立った
その時私は音楽を聴きながらうつらうつらとしており、人の気配は感じたが「空いてる席あるのに座らないからすぐ降りるのかな」と大して気にも留めなかった

少ししてその女忄生が何かを呟いたような気がしたが、音楽と電車の音に掻き消されたのでやはり無視をした
1分経たずに今度は私の目の前に立ちまた何かを呟き始めた
流石に無視できなくなりイヤホンを外して顔を上げた
すると女忄生がいきなり私に年齢を聞いてきた
当時16歳だった私が素直に答えると相手は「私は60歳」と言い始めた
全く意味が分からずぽかんとしていると「だから、私は60歳」と繰り返した

「どういう意味ですか?」と質問すると「私は60歳だから席を譲りなさい」
先ほども書いたように向かいにも空いている席はあり、足腰もぴんぴんしていたのでわざわざ私の席を譲る必要もなかった
流石に言葉の処理が追い付かずにフリーズしていると焦れたように再び「席、どいて」と言われた

思わず腰を浮かせかけた時、隣のおばあさんが「向かいが空いてるでしょ、それにこの子部活頑張ってたんだから座らせてあげなさい」と一言
思わぬ横槍に毒気を抜かれたのかその女忄生は別の車両へ移っていった

その後お礼を言うとおばあさんは
「あなた体操着(ジャージ姿だった)着てるし髪の毛も汗でぱさっとしてるでしょ?それでウトウトしてるんだから部活頑張ったのなんて見れば分かるわよ」
「あの人なんて特に疲れてもいなさそうだったんだからあなたが優先されて当然よ」
と言ってくれた

その次の駅でおばあさんは降りたが、去り際に「部活も勉強も頑張ってね」と美味しいべっこう飴をくれた