683 :名無しさん@おーぷん 2014/08/25(月) 23:41:23 ID:66wd9JtX4
中学生の頃の話です。

学校から帰る帰宅路の途中で猫を見付けた。
全身テラテラして様子がおかしかった。
友人と猫を脅かさないようにそろそろと近付くと猫は逃げずに佇んでいた。
近くに寄ると畑仕事していたらしいお婆さんがこちらに話しかけてきた。

「その猫そのお家でエサあげてたみたいだが、その家人が機嫌悪かったのか油をかけたんだよ。酷い事するよ」
確かに猫は油の様な光沢のある液体で濡れていた。
しかも、目に入った液体でやられたのか片目が膿んで血が出ていた。
とても見ていて可哀想だった。
私は猫を動物病院に連れていこうと友人達に言った。
皆、目を反らした。油で濡れた、しかも血が出ている猫を抱くのが嫌だったのだろう。誰も何も言わなかった。

ちょうどその日、私のクラスでプールがあった為私はタオルを持っていたので猫を包んで抱き上げた。顔を軽く拭いてあげた。かなりの量の油が拭えた。
友人の一人が鞄を持ってくれて、馴染みの動物病院まで行った。

獣医によると、顔にかかった油が汚れていた為、それが目に入り炎症を起こした。
それで目から血が出ていたようだ。
詳しくは検査しなければ分からないが野良猫の為これ以上は無理だ、とのこと。
炎症が酷いので、最悪手術が必要になるかもしれない。
金が掛かる。
私達は子供で大金はない。
目の前には、諦めた様な顔をした猫。

私は獣医に、親に相談してみる駄目だったら諦める明日また来ますと伝えて私達は帰宅した。
家に帰り親に相談した。
一生懸命訴えた。
既にうちには犬猫合わせ6匹居たのでその費用もバカにならなかった。
それでも両親は最終的に私の訴えを飲んでくれた。
苦しんでいるなら助けるのが人間の責任だと。

翌日母と動物病院まで行き、うちが面倒を見るので治療をお願いした。
速攻検査をした。
どうも、目から入った細菌が眼球を腐らせている様だった。
手術になる。猫の体力次第では…と獣医は言葉を濁した。
猫は高齢だった。
私達は猫の生命力に懸けた。
手術は成功した。猫は片目が無くなった。
眼球の回りの肉も腐っていたので少し削ったから目から血が出るが次第に止まるだろうと言われた。